LDパルスエージングシステム
LASER DIODE PULSE AGING SYSTEM YWD5100-50S
【概 要】
本システムはレーザ-ダイオード(以降LDと称します。)をある温度環境下において設定された高速パルス信号をLDに供給し、LDを連続動作させる事により、LDの初期不良及び寿命評価等を行うと共にそのデータを収集する事が出来る試験装置と高速パルス信号をLDに供給し、LDのI-L特性測定等を行う事が出来る試験システムです。 |
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2-1. LDパルスエージングシステム構成
本システムはIL及びエージング測定装置(10チャンネル)×5台、とその制御を行うためのホストコンピュータから構成されます。
コントローラー部 | ホストコンピュータ 1台、ディスプレイ 1台、キーボード・マウス 各1台、UPS 1台(ホストコンピュータ用)DVD±RW 1台(PC内蔵) | 1式 |
10チャンネル用 パルスエージング装置 | 温度調節部、制御回路部、 LDドライブ回路部、計測回路部 | 5台(50ch) |
接続ケーブル等 | 1式 |
2-2. システム構成図
図1にシステム構成図を示します
図1.LDパルスエージングシステム構成図
3-1. ホストコンピュータ
ホストコンピュータは、試験条件の設定、試験開始指示、試験状態の監視、および、データ収集・保存等を対話方式で行う事ができます。
ホストコンピュータから各チャンネルの制御回路、温度調節部とは、RS-485インタフェースにてシリアル通信を行います。
キャリブレーションファイルは保存し後日呼び出す事が可能です。サンプリングする場合、原始データは、動作電流、動作電圧、光パワー値です。これらを元に、しきい値 電流スロープ効率、電流~光出力特性等の集計データを作成します。(測定対象となるLDの品名は10ch単位(装置単位)での管理となります)
又、I-L測定はパルス、C/Wの両モードで可能です。
停電等で、通電が停止した場合でも、同一条件で再運転が可能です。(PC側にUPS搭載)
測定データの保存は、ハードディスクにCSV形式ファイルで保存されます。
3-2. パルスエージング装置
3-2-1. 温度調節部
ペルチェ素子を使用した温度コントローラーを採用しています。 LDマウント部に銅製プレートを用い、このプレートの温度調節をペルチェ素子にて行います。 さらに低温側設定時の結露防止として、外部からの乾燥ガスの噴射が可能です。 LDマウント部の近傍に温度センサー(Pt100)を配置し、LDの環境温度を観測します。 装置毎に10ch分共通の温度調節部用の操作・表示用コンソールパネルを具備します。 温度調節部はホストコンピュータとRS-485インタフェースにて接続され、ホストコントローラーからの温度制御および温度情報を送受信します。
3-2-2. 制御回路部
ホストコンピュータで設定されたデータを元にして、LDドライブ回路及びPD部への指示と計測回路での測定データ収集と監視を行います。また、これらの情報をホストコンピュータの要求に応じて返送します。 制御回路部はホストコンピュータとRS-485インタフェースにて接続されます。3-2-3. LDドライブ回路部
LDドライブ回路、駆動パルス発生回路等が組み込まれています。
3-2-4. 計測回路部
LDマウント部に取りつけられたLDを □10mmPDを使用し、光パワーの測定を行います。 その他にLD駆動電圧/電流の測定を行い、これら測定結果を制御回路部へ送出します。 また、計測した光パワー出力(PD受光出力)とLD駆動電圧を外部へモニタ信号として出力します。
4.エージング装置 LD計測仕様
4-1. 対象LD
置測定対象となるLDは以下の通りです。
放射角度 | 発光源から37 | |
デバイスパッケージサイズ | 5.6φキャンタイプ(3P) ※ピン収容が合うタイプであれば4Pも測定可 又測定ヘッド(別売り)交換に依り別タイプのLDにも対応可 | |
LD光出力 | CW駆動時 最大電流 450mA パルス駆動時 ローレベル 0~300mA ハイレベル 100mA~500mA 駆動電圧 8.0V以上 | |
LD極性 | CW駆動時 カソードコモン、フローティングタイプ、アノードコモン |
4-2. テストLD数量
LD数量 | 10個 / 1装置、 5装置 / 1システム(最大 50ch) |
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LD搭載箇所 | 1箇所 / 1ch |
4-3 LD点灯モード
エージングは、下記のようにACC駆動、APC駆動さらにハイレベルAPC/ローレベルACC駆動が可能。
ACC(パルス駆動、CW) | 出力設定 CW駆動時 最大電流 450mA パルス駆動時 最大電流 500mA 設定分解能 1mA以下 |
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APC(パルス駆動、CW) | 出力設定 最大35mW (ただし、ACC時の最大電流による) ND無し=35mW ND_1=350mW ND_2=700mW 設定分解能 0.1mW または(フルスケールの1/3500の大きい方)以下 (例)フルスケールが700mWのとき設定分解能は0.2mW以下になります。 |
ハイレベルAPC/ローレベルACC(パルス駆動) | 上記APC、ACCに準ずる |
4-4. パルス駆動
パルス駆動 | パルス幅 下表に示す。 ただし、約-5ns、0ns、+5nsの調節が可能。また、最小設定パルス幅は30nSとなります。 |
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デューティ比 連続点灯の他、下表に示す。 | |
電圧波形 立上り/立下り時間 約10nS(ローレベル5mW出力) |
50% | 40% | 20% | |
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30ns | 〇 | 〇 | 〇 |
50ns | 〇 | 〇 | 〇 |
100ns | 〇 | 〇 | 〇 |
150ns | 〇 | 〇 | 〇 |
200ns | 〇 | 〇 | 〇 |
300ns | 〇 | 〇 | 〇 |
(○印:生成可能なパルスを表す。)
4-5. パルスサンプリング
パルスサンプリング | 指定した位置でサンプリングし、各測定・制御を行なう。このときのサンプリングする位置は1nsステップで設定可能。 |
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サンプリング 位置設定精度 | ±1ns |
4-6. 設定単位
設定単位 | パルス幅及び振幅はLD10個毎(1装置単位)同時設定 |
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4-7. リミッタ
リミッタ | 点灯電流、点灯パワーに任意のリミット設定可能。リミット機能は制御回路が制御。 |
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電流リミット設定範囲 510mA(設定分解能 1mA) | |
光パワーリミット設定範囲 800mW(設定分解能 1mW) |
4-8. 測定信号モニタ出力
パルス波形確認 | 高速PDで受光した電気信号を出力。 |
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電圧出力波形 | LDの駆動電圧波形を出力(但しゲインは1ではない。) |
光パワー測定位置 確認用トリガ信号 | 光パワー(ハイレベル)の測定位置を示すトリガ信号を出力 |
4-9. 測定項目
原始データ | 動作電流 Iop ***.*mA 動作電圧 Vop *.**V 光パワー Po ***.*mW |
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集計データ | I-L特性/I-V特性、Iop、Vop しきい値電流 Ith ***.*mA スロープ効率 η **.**W/A それらの温度特性 (各計測時間は任意の時間に設定可能) |
光パワー測定位置 確認用トリガ信号 | 光パワー(ハイレベル)の測定位置を示すトリガ信号を出力 |
4-10. 測定分解能
電流測定 | 0.4mA以下 |
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電圧測定 | 0.01V以下 |
光パワー測定 | 0.1mW または(フルスケールの1/3500の大きい方) 以下 |
4-11. 設定・測定精度
CW駆動時 | パルス駆動時 *2 | 備考 | |
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電流設定精度 | ±2% (F/S) | ±3% (F/S) | |
電流測定精度 | ±2% (F/S) | ±3% (F/S) | |
電圧測定精度 | ±2% (F/S) | ±3% (F/S) | |
光パワー設定精度 *1 | ±2% (F/S) | ±3% (F/S) | APC時 |
光パワー測定精度 *1 | ±2% (F/S) | ±3% (F/S) | ACC時 |
*1:キャリブレーション用のデータが持っている誤差は含みません。
*2:出荷時に設定しているサンプリング位置で動作させたとき。
4-12. チャンネル間ばらつき
CW駆動時 | パルス駆動時 | 備考 | |
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電流設定精度 | ±1% | ±3% | |
電流測定精度 | ±1% | ±3% | |
電圧測定精度 | ±1% | ±3% | |
光パワー設定精度 | ±1% | ±3% | APC時 |
光パワー測定精度 | ±1% | ±3% | ACC時 |
4-13. 電流処理方法
CW駆動時(ACC) | 設定する電流値を元に制御 |
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CW駆動時(APC) | 電流は測定結果として処理 |
パルス駆動時 | 駆動の結果として測定される電流値を元に制御 |
4-14. 機能
スムージング処理 | スムージングの幅と回数が設定可能 |
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I-L測定 | 電流のスイープ速度とステップ幅 可変 |
タイムスケージュール機能 | いくつかの試験を時系列に並べて試験することが可能 |
変化率表示 | 初期状態からの変化率を表示することが可能 |
4-15. 測定結果出力
出力 | ディスプレイ表示、CSV形式ファイル |
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5.温度調節部
5-1. 方式
方式 | ペルチェ温度コントロール |
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5-2. 仕様
温度設定範囲 | +10℃~+100℃ |
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温度調節分解能 | ±0.1℃ |
温度分布 | ±1.0℃/10ch間 |
温度測定精度 | ±1℃ |
加熱方式 | ペルチェコントロール |
温度検出器 | 白金測温抵抗体 Pt100 |
断熱材 | 特殊断熱材 |
ドライエア | ドライエアを背面のエア注入口から入れ、その空気をLDマウント部に噴射します。 注入口:ワンタッチ継ぎ手Φ4.0mm |
通信方式 | RS-485(2線式半二重)、専用通信フォーマット |
使用環境(室温) | +20℃~+30℃ |
6.装置仕様
10チャンネル用パルスエージング装置単体の仕様を以下に示します。
外形(W×H×D) | 本体ラック;1100(W)×1350(D)×1600(H) (mm) ※突起部含む PCラック;700(W)× 650(D)×1290(H) (mm) ※突起部含む |
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内装材質 | 鋼鈑製 |
外板材質 | 鋼鈑製焼き付け塗装仕上げ |
主電源スイッチ (兼保護回路) |
漏電ブレイカー(主電源スイッチ兼用) AC100V 1φ 15A × 2 |
7.ホストコンピュータ仕様
OS | Windows XP |
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ディスプレイ | 液晶17インチ |
停電保護 | UPSにてシステム終了処理実行後、シャットダウン |
8.電源仕様
装置本体 | AC100V 50/60Hz、1φ、80A以下、1本 |
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ホストコンピュータ | AC100V 50/60Hz、1φ、15A以下、1本 |
9.インターロック機能
LD駆動停止 | 装置のカバーを開けたときレーザ光が外に漏れ出さないように速やかにLDへの駆動を停止します。 このとき装置に付属のLEDが点滅します。 |
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復帰条件 | カバーを閉めてPCより試験を再開しない限りLDへの駆動は開始しません。 |
メンテナンス機能 | メンテナンス時のみ上記機能を解除する機能を有する。 |
10.付属品
NDフィルタ (コールドミラータイプ) |
ND_1:フルスケール350mW用 (20%)50枚 ND_2:フルスケール700mW用 (10%)50枚 |
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SMB-BNCケーブル | 3m、3本 |
波形調整用ドライバー | 3本 |
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